きっと何者にもなれない
映画を観るのが好きです。
言語化という分野が苦手なので、見終わったあとは大抵「面白かったから感想ブログ探そ」ってなるんですけど、その悪習を今こそ断つ!
自分の文で、自分の言葉で、感想をしたためてみたくなったのです。
ネタバレはしてない。多分してないと思う。してないんじゃないかな。ま、ちと覚悟はしてください。
Amazonprimeで、映画『何者』を見ました。
佐藤健主演で、菅田将暉と岡田将生も出てるしとにかくイケメン見てぇって軽い気持ちで見ちゃったんですけど。
私は就活に失敗して卒業してしまったパターンの人間なので、共感の嵐でしたね。
就活の現実ってやつをまざまざと見せつけられて、現就活生は絶対見たくないやつだと思います。
とはいえ、一概に就活の話です!とは言えないです。
人間の弱さみたいなのが、主題なのかなって。
若者の特有の自意識とか承認欲求とか、自己尊厳とかそういうの、身に覚えがありまくって背筋に悪寒が走りました。
共感性羞恥が発動して、目を覆いたくなることが何度かありました。
いや、それはないやろ〜っていうのが一切ない。『何者』に出てくる人みんな、こういう人いるわぁってなる。もしかしたらそれ、他人から見たら私かもしんないしね。
足の引っ張り合いとか、引く人は引くだろうけど、見てるだけなら好きです。人間くさくて。これが本当のヒューマンドラマってやつだよ……。フィクションの世界だけでいいけど。
絵でも文章でも、もちろん脚本とか舞台とか、そういうクリエイター的なことやったことある人で、才能の嫉妬に駆られたことがある人がいたら、拓人に共感しまくるかもしんない。
「頭の中にある内はなんだって傑作なんだよ」
って言う拓人が一番ナイフを突き立てられている気分なんだよね。
あぁでもコイツの場合は、言ってやったって自己陶酔に浸るタイプか。
自分には何もないし爪痕残せるものま何もないから、きっと何者にもなれない。だから、周囲を見下すことによって優越感に浸る。そうして何者かに大成したみたいな感じがするんだろうね。
周りからしたら、そういうの、「何様のつもり?」ってなるんですけど。
自分がそうじゃなかったなんて、言い切れる人そんなにいないんじゃないかって。
『何者』は、見ている人の個性すら登場人物5人の枠に嵌めてしまうような恐ろしさがある。
視聴者が、この5人のうちの「何者か」であるんだと、そう感じました。
ふと、
「きっと何者にもなれないお前たちに告げる!」
で、お馴染みの『輪るピングドラム』を思い出しますね。
5人は5人なりに幸福を追求すると思いますよ。
それは就職した会社でかもしんないし、そこじゃないかもしれない。
醜く歪んだ嫉妬心や肥大した自尊心を抱えながらも、彼らにとってのピングドラムが見つかりますように。
ちなみに私はピングドラムを存在意義と解釈してます。
ちなみに『輪るピングドラム』はアニメです。解釈がだいぶ複雑ですけど幾原監督のアクの強さが存分に出てるいい作品です。
キャラも可愛いし、映像も綺麗です。苹果ちゃんが好きです。見てね!
脱線しました。
映像といえば、『何者』は舞台装置がすごく良かったです!
舞台化もした作品ということもあり、演劇が主題の片棒を担っているということもあり、ほんとに舞台でやってますみたいな演出には持ってかれましたね!
ああいう演出すごく好きだな〜。
説明下手だけど、好きってことだけ伝わればいいかな。ネタバレしたくないからふんわりとしたことしか言えない。
『何者』、生きづらさを抱える人間なら誰しも共感できるのでは〜と思います。人間の闇度で言ったら今年最大の胸糞です。今年始まったばっかなので。(2ヶ月)
就活中にSNSなんて見るもんじゃねぇぞ……。。